【特集】スター・ウォーズ 3.75" GALAXY/エピソードⅡ 旧きを知り新しきを遊ぶ
エピソードⅡ
3.75インチ界隈は嬉しい悲鳴に覆われていた。
数十の新商品が予約開始を告知されたのだ。
ハズブロ社に指揮された新商品ラッシュによって
オタクが限りある旧ラインナップの中で
オモチャ遊びのテンションを維持するのは困難になっていた。
かつての3.75インチヤク● ナカシー元老院議員は
トイトラへと向かっていた。
今や沼にハマりはじめたオタクを支援するため
現行シリーズにも手を出すべきか否かという重大な議案に
一票を投じるために…
3.75、この数字に見覚えはないだろうか?
いや、おそらく大半の方にはないと思われますし、むしろ「数字のキリが悪すぎる…」という感想を持たれる方のほうが多そうですが、とあるジャンルのオタクたちにとっては甘美なる響きをもった魔法の数字なのです。そう、一大イベント"セレブレーション"の日本開催を2025年に控え、ひときわ盛り上がりを見せる『スター・ウォーズ』のオタクたちに!
今回はそんな魔法の数字の謎を解き明かすべく、"3.75インチ"ヤク●1のナカシーさんをお迎えして語っていただきましょう。初心者でもコレを読んだら3.75沼に頭までどっぷり、サーガよろしく3部作(全3回の連載)でお送りします。
(序文・聞き手:シライシ)
3.75インチヤク●、ふたたび
こんにちは!ナカシーです!
前回に引き続きよろしくお願いいたします。
『スター・ウォーズ』3.75インチフィギュアを布教するため、魅力を熱く語るこの連載。
前回は「手に入れやすく、かつプレイバリューの高いアイテム」を紹介しました。
みなさん、まずは一体手にとっていただけましたよね?
いただけましたよね?????
(圧……)
中古の在庫が潤沢な、90年代中頃のシリーズ
「パワー・オブ・ザ・フォース」をご紹介いただきました。
SNSでも3.75マスターの皆様からリアクションいただきましてありがたいばかりです!
3.75インチ道を歩み始めた皆さんへ次にオススメしたいのは、
いま店頭で買える最新・現行のシリーズ!
昔のアイテムも手にはいるうちに触れておきたいところですが、
やっぱりメーカーにも潤ってもらわねばですからね。
そんな義務感もありつつですが、
現行アイテムはアクションフィギュアとしても飛躍的な進化を遂げていて、純粋にオススメできるんです!
ということで今回の記事では、最新の3.75インチシリーズ「ヴィンテージ・コレクション」をご紹介します。
最新なのにヴィンテージ?
皆さん疑問に思うところですよね。
最新アイテムなのに「ヴィンテージ」なの?って
「ヴィンテージ」といえば、年代物や古くて価値のあるものという意味。
このシリーズは、過去に発売されたSWベーシックフィギュアを最新技術でリメイクするというコンセプトで始まったシリーズなんです。
2006年に前身となったシリーズが発売され、その後2010年ごろから「ヴィンテージ・コレクション(以下TVC)」に改名し再スタートとなりました。
パッケージの体裁が、旧三部作の時に発売されていた
いわゆる「オールドケナー」を踏襲していますね。
新三部作以降のキャラもラインナップされ始めるんですが、
最初はこのデザインのカードに新キャラが乗ってるのに違和感がありました(笑)
それからしばらくの間、3.75インチフィギュアはギミックアクションのあるベーシックフィギュア(低年齢ターゲット)と可動箇所に特化したTVC(ハイターゲット)の2ラインで展開されることとなります
対象年齢別に棲み分けがなされたんですね。
この間、ディズニーによる買収劇やまさかの新作公開もあったりで……
ディズニー体制での新作公開時にも、当初は低年齢向けのベーシックフィギュアが発売されていたんですが、
2019年後半からはTVCに一本化されていきます。
6インチなどスケール違いのラインナップも並行して展開する中で、
3.75インチはターゲット層を絞ったんですね。
3.75インチの常識を変えるTVC
さて、そんなわけで3.75インチの"現行"といったらTVCを指すのですが、
ズバリその魅力はどこにあるんでしょうか?
最大の特徴は、なんといってもポージングに特化した関節と造形。
最新の新規金型の商品は3DCGで設計されているため、複雑な可動設計や造形が可能になったんです。
近年のラインナップでは6インチフィギュアと遜色なく動くものもあり、
可動面重視のユーザーにもぜひ一度手に取って、驚いてもらいたいですね。
「コレクションしやすいけど、可動面に制限が……」というネックがいよいよなくなってきたと。
他にはどうでしょう?
2019年後半からデジタルプリントが採用されたので、
人間キャラクターの顔ペイントのクオリティが格段に上がりましたね。
これまでは造形がよくてもペイントが残念……というケースが多々あって
あ〜、めちゃくちゃありますね。
サイズ小さいしこればっかりは仕方ないと脳内補完で遊んだものです。
デジプリ採用以降から格段に顔のクオリティが上がりましたので、
ノーモア脳内補完ですよ。
40年以上の歴史がある3.75インチシリーズですが、
「リアルな見た目でよく動く」トイに進化を遂げたのはこのシリーズがあってこそなんです。
TVCいま買うならコレ!
では皆さまお待ちかねの購入ガイドです。
入手難度に差はあれど、今ならまだ手に入れられそうなTVCからナカシーさんにチョイスいただきました。
今回も4体のおススメを紹介させていただきます!
前回の記事よりもみなさんよく知ってるキャラなのではと……(汗)
TVCオススメのキャラクターはこちら。
- ダース・ベイダー(第2デス・スター)
- クローン・トルーパー(第501大隊)
- ダース・レヴァン
- グリーフ・カルガ
ダース・ベイダー(第2デス・スター)
まずは「ダース・ベイダー(第2デス・スター)」言わずも知れたシスの暗黒卿です。
2023年に発売された最新のダースベイダーフィギュアです。
いきなり真打ち登場!
『ジェダイの帰還(以下ROTJ)』公開40周年を記念するアイテムでもありますね。
過去にも3.75インチダースベイダーは50種近く発売されてきましたが、
今回のベイダーは断トツのクオリティです。
3.75インチベイダーのコレクターであるナカシーさんが言うんだから間違いないですね。
今回のベイダーは第2デス・スター版ということで、当然ROTJ仕様なのですが、
これがもう、プロポーションに装甲服、そしてヘルメットの造形とどこを取っても劇中そっくりな造形なんです。
それに加えて彩色!同じ黒でも光沢と半つやの使い分けが美しくお見事。
胸部や腹部のボタンの塗りわけも綺麗にされてます。
胸部ボタンはROTJ名乗るからにはしっかり差別化してほしいポイントですもんね!
可動も優秀で、幅広いポーズを再現することができます。
腰がボールジョイントなので、ライトセイバーを両手持ちさせたときに引き締まっていいですね。
マントがファブリック素材となっていることもあり、派手なポーズも難なくつけられちゃいます。
さすがベイダーをつくりつづけているだけあって、造形・可動ともに洗練されてきてますね。
前回紹介したパワー・オブ・ザ・フォース版と比べてみても面白いかも。
付属品はライトセーバーがブレード有無で2種。ヒルト(柄)のみのセイバーは、腰に装着可能。
ベイダーってセーバー使っていないシーンの方が印象的だったりするから、これはありがたい仕様!
そして、ルークに切られてしまった腕も付属。
戦いの後、皇帝を倒すシーン、そして親子の対面シーン、どんなシチュエーションもこれ一つで再現できますね。
いよいよ3.75インチベイダー(ROTJ版)としては決定版な雰囲気に。
プレイバリュー高すぎません?
まだまだ、極め付けはこれだ……!!
このダースベイダーはなんとヘルメットとマスクを着脱することができちゃうんです!
着脱の順番も劇中準拠でヘルメット→マスクの順。
このサイズで再現できるギミックとしてはこの上ないですよ。
うぉー!シリーズ屈指の感動シーンが完全再現できる!!
(なぜかハーモニカの音色が聞こえてくる……)
マスクを外すとアナキン(演:セバスチャン・ショウ)のヘッドが!
瞳がブルーなのでライトサイドに戻ってきた顔のイメージです。
目元だけ見ているとセバスチャン氏だけでなく、なんとなくヘイデンアナキンの魂も宿って見えてきます。
意図してつくられているかはさておき、1体で2度美味しいフィギュアですね。
首元はボールジョイントなので、劇中で見えない角度からもゴリゴリ造形を観察できますね。
セバスチャンアナキンって顎が魅力的なんだよなぁ……。
というわけで、まずベイダー買うならイチオシな本アイテム。
余談ですが、おなじみトイサピエンスではすでに売り切れでして……。
2024年4月現在、他のアメトイショップではまだ目撃情報がありますので、
気になる方はお早めにゲットしてください!
見つけたら買っとくが吉!ですね。
クローン・トルーパー(第501大隊)
SWファンの夢……
それは、クローン軍隊をたくさん集めてお部屋に並べること。
その夢、簡単に叶えることができます。
3.75インチなら、ね。
というわけで、続いての紹介は「クローン・トルーパー(第501大隊)」
最近のスピンオフ作含め活躍が見られますが、アニメ『クローン・ウォーズ』名義でのリリースなんですね、コレ。
1体でも十分遊べるトルーパーですが、やはりたくさん並べて軍団をつくりたいじゃないですか……。
そう思った方に朗報、いっぱい買えば実現できちゃうんです!
(ナカシー構文だ……)
3.75インチフィギュアはコンパクトなサイズ感なので、たとえ10体ぐらい並べても場所をとりません。
おウチのいたるところに進軍が可能!楽しい!!!
住宅事情を考えずに気兼ねなく複数買いできるのはメリットですね。
いっぱい集める前提で話を進めちゃってますが、
単体のフィギュアとして見てもいいところは多いんですよ。
体格はやや細身ですが、特徴はしっかり捉えられています。
彩色面では随所に剥げなんかがあったりして、ダメージ感がまた良い。
自分好みにダメージ塗装を加えてあげても楽しめそうですね。
全身もしっかり可動、印象的な銃の両手持ちポーズなんかもできちゃいます。
股関節にややクセがありますが、膝立ちなども可能ですよ。
前回(POTF)と違って、ちゃんと劇中に出てくる武器がついている安心感!
玩具オリジナルの大味さも好きですけどね。
さらにこちらもベイダー同様、ヘルメットを着脱することができて….
中にはテムエラ・モリソン氏にそっくりな若フェイスの素顔ヘッドが!
戦闘ポーズだけでなく、ヘルメットを外したオフ状態も再現できますね。
501トルーパーは過去にいろんなバリエーションが発売されています。
ぜひ、本アイテム含めいろんなバージョンを組み合わせ、軍拡に勤しんでください。
夢、叶えていきましょう。
2024年8月にはキャプテン・レックスも新規造形で発売するので、
今のうちに501メンバーを揃えておいて損はないですよ!
ダース・レヴァン
さて、ここまでは有名どころなキャラクターを紹介していますが、
TVC、攻めたラインナップはやめちゃったんでしょうか?
いえいえ、そんなことはないですよ。
結構マニアックなお方がラインナップされています。
(とうとう自分と会話し始めた……)
紹介する「ダース・レヴァン」はゲーム『スター・ウォーズ:オールド・リパブリック』に登場するキャラクターです。
最近Nintendo Switch版が発売されて、ようやく日本でも簡単にプレイできるようになりました。
ちなみに私はテレビゲームが苦手すぎて、序盤で止まっています。
ディズニー買収以前のタイトルなので、ゲーム自体は今となっては非正史扱いですね。
正史キャラがメインになってるこのご時世に、
しっかりレジェンズ(非正史)のキャラクターを出してくれるのは嬉しすぎる!
コアなファンから人気の高いレヴァンもじっくり見ていきましょう。
カッコよくて未開封のままにしていたのですが、せっかくなので開封しますかね。
ベリベリベリベリベリベリ(開封音)
ブリスターの開け方から強い思想を感じる
見てください、ゲームデサインを見事に再現したフォルム。
ベイダー同様にPVC素材とファブリック素材の使い分けが見事ですね!
(普通に進めちゃっていいんですね……)
レヴァンの3.75インチですが、実はコレが初めてではないんですよね?
2007年頃にも3.75インチで立体化してまして、今回が2回目になるんですけど、
少し細身なフォルムなど、今回のほうが再現度かなり高いです。
小さいながら、胴体から腰にかけての作りこみと彩色が細かくて見入ってしまいますね。
かっこいい!(今日これしか言ってない気がする)
こうやってじっくり見ていると、『フォースの覚醒』のカイロ・レンを思い出しますね。
彼ももしかしてレヴァンのメットを参考にしてたりして。
立体物として手に取ることで思いがけず発見することもありますよね。
新旧シスを並べて、こんな贅沢な遊びもできちゃいます。
いつか"狭間の世界"なんかでこういったシチュエーションを見てみたい!
グリーフ・カルガ
最後に紹介するのは、ドラマシリーズ『マンダロリアン』に登場の
「グリーフ・カルガ」です。
このシリーズ、おじさんフィギュアで締めなきゃいけない決まりでもあるんでしょうか。
しかし演じるのは監督としても腕を振るったシリーズの功労者、カール・ウェザース氏ですからね。
いいでしょう!
3.75インチフィギュアで一番顔が似ている人間キャラを聞かれたら、真っ先にこのフィギュアを答えます。
顔がもうカール・ウェザースそっくりです。
眼や眉毛だけでなく、ヒゲもデジプリ再現。
気合い入ってます。
ヒゲ塗り替えたら若き日の姿も再現できそうですね。
まるで異星人に狩られそうな……。
衣装はシーズン2のものとなっています。
他シーズンのバージョンも発売してほしいですね。
シーズンを跨ぐごとに出世していきますから、ここはメモリアル的な意味も込めて期待したいです。
付属品はブラスターピストル。
ホルスターもついているので、しっかりマウントすることもできます。
カルガの職業柄、エイリアンや賞金稼ぎキャラとの相性が抜群!
前回紹介したエイリアンたちと一緒に並べてみると……
賞金稼ぎとギルドのエージェントがひそかに密会をしているようなシーンがつくれました。
おおっ!なんだか劇中にありそうなシーン!
フィギュアを並べるだけで新しいストーリーが生まれる。
こんな遊び方こそがSWフィギュアの醍醐味だと思います。まさにトイエティック!
街へ出よ、TVCを買おう
ということで、今回は店頭に並ぶ現行アイテムを手に取っていただきたく紹介してきました。
今回紹介したフィギュアは、まだ新品で購入できるお店が多いです。
人気キャラクター達でガシガシポーズをつけて遊びたい人はぜひ手始めに1つ購入してみてください!
前回はラインナップ豊富な中古、今回はクオリティの高い新品の紹介ときて、
ここまで手に取っていただけたら、あとは自分の心の向くままにコレクションを充実させていくだけではないかと……
確かに、長い歴史と豊富なラインナップでSW3.75インチは充実しています。
していますが……!
遠大なSW世界を遊び尽くすにはまだまだまだまだ足りない!!!
ええっ!?これ以上何を……
来月、もう一度来て下さい。
私が本当の"沼"を見せてあげますよ
なにやら物騒になってきたぞ……。
みなさんは紹介したアイテムをぜひ手に取って、来月に備えて下さいね!
次回「エピソードⅢ」は24年5月の公開予定です。お楽しみに!