トイトラについて

Tokyo Toyetic Tribe(トーキョー・トイエティック・トライブ)、通称"トイトラ"の由来を辿ると、そのルーツは古く江戸時代まで遡ります。

商人の樋川虎ノ進といかわとらのしんは、当時子供向けのものとされていた三つ折れ人形や草双紙を収集し密かに愉しんでいました。おおっぴらには明かせぬ趣味でしたが、どこかに同好の士がいることを確信していた彼は、独自にかわら版を制作・流通。表向きは普通の情報誌としながらも、その端々に"わかる人にはわかる"メッセージを仕込むと、次第に彼の周りには志を同じくする者たちが集まりました。彼らは「大江戸玩具族おおえどがんぐのやから」を自称し、次第にかわら版の内容も玩具情報に特化したものとなっていったといいます。

20代前半の樋川虎ノ進
(東京都江戸商人ミュージアム所蔵)
岸田杜芳 戯作 ほか『草双紙年代記 : 2巻』,甘泉堂,天明3(1783)
(国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9892589

当時の様子は『今昔画図隠者愉こんじゃくがずいんじゃのたのしみ』『玩傑叢談がんけつそうだん』(いずれも百口八虚ももくちやっこ・編著)などの記録からうかがい知ることができます。世間の潮流や慣習に抗いながら趣味に生きる人々の情熱につよく心を打たれた主宰は「大江戸玩具族」と虎ノ進にリスペクトを捧げ"トイトラ"の名を考案したのです。

時代は移り現代、いまや個々人の趣味を咎められる事は少なくなりましたが、それでも同好の士がつながることはなかなか難しいもの。Tokyo Toyetic Tribeは、そんな"好き"を同じくする人々があつまる遊び場として、インターネットの片隅にこうして居を構えました。

2022年8月 JoyGarage トークステージの様子

前身となるJoyGarage(ジョイガレージ)は東京・高円寺を拠点に玩具のガレージセールや隣接ジャンルにまつわるトークイベントを中心に企画してきましたが、今後はガレージを飛び出し野に出た虎の如く、WEB・リアルの双方を行き来するフレキシブルな活動を予定しています。

これからの"トイトラ"にどうぞご期待ください。